夏の新作の帯留めをアップしました。
本当は海洋生物つながりであと数点あったのですが、全部揃うのを待っていると秋になってしまうので、今回は2点先んじてアップすることにしました。
秋ものの製作もあるので残りは来年の夏になるかも知れません。
水性樹脂の有機的な質感を活かしてオレンジ珊瑚のように仕上げた蟹の帯留めと、琉球絣や紅型の帯に合わせたい紅型風の極彩色の色を施した熱帯魚(チョウチョウウオ)の帯留めです。
※ご注文者全員プレゼント「アマビエ根付」続けます。
一度アマビエご希望された方、2回目以降のご注文時もアマビエご希望して頂いても大丈夫です。
小さな蟹の帯留め
夏にも冬にも使える蟹を作りたいと思っていました。
水性樹脂のジェスモナイトは自然素材のような質感なので、有機的なモチーフにとても合います。
ツヤが出るように磨き、オレンジ珊瑚風にしてみました。目の部分には赤瑪瑙の玉を入れてぱっちりお目々になっています。
意外に足がリアルでエイリアンのフェイスハガーみたいになりましたが、特にカニのモデルを限定していませんので、例えば海のモチーフ(海松や貝や網干柄、勿論波柄も)と合わせれば海の蟹になり、流水や沢潟などの水草の柄と合わせればサワガニとしてお使いいただけます。
夏は清涼感のあるすっきりした色合いが好まれるのか、紺や青の寒色系or生成りや藁色のような自然素材の色の着物や帯が多いように見受けられますが、カニのオレンジ色は寒色系には補色でアクセントカラーになり、自然素材の色とは近似色で馴染みやすく使いやすい色だと思います。
冬にも使いたいと思ったのは冬は鍋のシーズンだからです。以前出した鴨の帯留めにネギの根付のように、蟹があったらなと思いましたので。冬は時期柄食事会など人の集まりが多い時ですので、そんな時のお出かけに使うとちょっと気分が上がる気がします。
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紅型風熱帯魚の帯留め
夏着物は袷の季節より素材が多彩で、それゆえきもの通にとってはより趣味性の高い装いを楽しめる季節だと思います。
ところで夏着物のジャンルの中に「沖縄の布」というのがある気がします。勿論通年で楽しめる着る沖縄の布も沢山あるのですが、温暖多湿な気候の中で生まれた涼しげな自然素材やプリミティブな絣模様、鮮やかな彩色はやはり夏着物として映えると個人的には思います。
その琉球紅型の鮮やかな配色や隈取りと呼ばれるグラデーションからイメージを膨らませ、熱帯魚の帯留めを制作しました。
チョウチョウウオ風のシルエットに花の模様など彫刻し、表面に紅型の隈取を模したぼかしの彩色を施しました。
作家物の芭蕉布はちょっと無理だけど、琉球絣など沖縄のテイストを取り入れた装いをしたい。そんな時に一緒にお使いいただければ統一感のあるコーデになると思います。
また、着画は若向けのリーズナブルな浴衣で、貝殻やヒトデの柄が所々に配置されているものですが、そんな水や海のモチーフを描いた浴衣等と一緒にお使いいただければ夏らしいマリンルックコーデにもなります。
もちろん柄も何もない無地の着物や帯でも、帯留めをプラスすれば一気に季節感のある盛夏の装いになります。折角自由度の高い夏着物の季節ですので、自由な発想でお楽しみください。